ホームサバイバルトライアル(電気・水道・ガスなしの生活体験)を通じて、災害への備えを確認しておきましょう!
大きな災害で、ライフラインが止まった時に、ご自宅で生活する自信がありますか?大きな災害が起きた時は、一次避難所(学校の体育館)だけが避難先ではありません。遠くの親戚宅や、ホテルなどはもちろんのこと、ご自宅が無事で安全であれば、大人数での生活を余儀なくされる一次避難所(体育館)ではなく、そのままご自宅で生活することも選択肢のひとつです。(分散避難と在宅避難)
「ホームサバイバルトライアル」とは、災害時にすべてのライフラインが止まったと仮定して、自宅で一定期間生活する訓練です。実践することで、備蓄品の不足や自宅での避難生活の課題をリアルに体験でき、家族の防災意識と防災対策の質を高めることができます。

ホームサバイバルトライアル(在宅避難の練習)を行うご家族の写真
ホームサバイバルトライアルのメリット
「ホームサバイバルトライアル」とは、災害時を想定して電気・ガス・水道などのライフラインを遮断し、備蓄品だけで生活する取り組みです。この訓練を行うことで、
・必要な備蓄品の量や種類を確認できる。
・家族の防災意識を向上できる。
・実際に困るポイントを発見し、対策を立てられる。
といったメリットがあります。
そしてなによりも、自宅が無事であれば、わざわざ避難所に行かなくても、住み慣れた我が家で避難生活ができるようになります。
トライアルの流れ
1.期間を決める。
まずは「1日」から始め、慣れてきたら「3日間」に挑戦するのが良いと言われていますが、準備やご家族全員の理解がないと難しいことから、数時間(2~3時間程度)のトライアルから始めることも考慮しましょう。
2.ライフラインを止める。
ブレーカーを落とす、ガスの元栓を閉める、水道の使用を控えるなど、できる範囲でライフラインを遮断します。(もちろんブレーカーや元栓はそのままで、想定で止まったものとして、それらを使わないことでも訓練できます。)一気にやると大変なので、今回は電気、次回はガスなど余裕をもって挑戦することも考慮しましょう。
3.備蓄品だけで生活
食事やトイレ、衛生管理をすべて備蓄品でまかないながら生活してみます。これまで気づかなかった必需品に気付くことができるようになります。
4.振り返りを行う。
トライアル終了後、家族で話し合い、足りなかったものや改善点をまとめて、今後の備えに活かします。
ポイント1:家庭内の危ない場所はどこ?
ホームサバイバルトライアルの目的は必要な備蓄品の準備だけではありません。「大きなタンス」、「食器棚」、「デスクトップPC」、「棚の上の大きな荷物」などが倒れてくる、あるいは、落ちてくる場所は危険度大。各部屋の大きな窓の近くもガラスの破損で危険。このように、地震が起きた時に危険と思われる場所を家族みんなで確認しあうことがまず必要です。
一昔前は「地震がきたらまずテーブルの下」が基本でしたが、固定されていないテーブルは地震の揺れで激しく動き回ることを頭に入れておく必要があります。また「この扉は開けておかないと」、「この家具は固定しないと」など、さまざまな気づきに対処して災害に備えることもホームサバイバルトライアルから得られることの一つです。
ポイント2:備えておきたい、体験しておきたいグッズなど
・「枕元の履物」
家の中での履物については、阪神・淡路大震災の教訓から防災対策のひとつとされています。ガラスなどが散乱した足元の安全を確保できなければ避難はもちろん水や食料の持ち運びにも影響をきたします。
・「両手が使えるヘッドライト」
普通の懐中電灯は片手がふさがれてしまうので、両手が使えるヘッドライトは必須です。片手が使えないストレスを軽減できます。
・「カセットコンロ」
電気、ガスが止まった状態でも、ガスコンロがあれば簡単な調理はできます。換気や防火に注意が必要ですが、上手に使うことで避難生活の負担を軽減できます。
・「調理用ホイルやラップ、耐熱調理袋」
くっつかない調理用ホイルやラップ、耐熱調理袋があれば、フライパンやお皿、鍋をきれいな状態で使うことができ、水の節約になります。
・「お風呂のお水」
カビや湿気の問題はあるものの、トイレ用の水として2~3日分を確保することができます。
・「ほうき・ちりとり」
停電で掃除機が使えなくても、床に散らばったものを片付けたり、掃き掃除をすることができます。
・「ポケットラジオ」
停電になるとテレビは見れませんが、ポケットラジオから情報を得ることができます。充電式で、乾電池でも使用できるポケットラジオは必ずそろえておきたいアイテムです。(スマホはインターネット環境に左右されるので、災害時に万能とは言い切れません。)
・「充電器、非常用電源」
スマホをはじめ、家庭にはさまざまな充電式のグッズがあります。最近では、ポータブルのソーラーパネルも市販されるようになってきています。万が一の時のために備えがあると安心です。
・「簡易トイレ」
断水して最も困るのがトイレ。能登半島地震などの教訓に基づき、「簡易トイレ」を備蓄するご家庭が増えてきました。災害時に初めて使うのは負担感も大きくストレスになりますが、一度使って、こんな感じなんだとわかっておくだけで、気持ちにゆとりがでてきます。
・「簡易テント」
地震発生後、床に物や破損物が散乱している場合は、それらの物を寄せて安全なゾーンを確保します。そこに簡易テントをセットすれば避難スペースが完成します。寒さ避けになるほか、クッションや寝袋をセットして快適な空間にすることもできます。
綾瀬市防災ハザードマップの13ページには、このほかにも備えておいたほうが良い非常用持ち出し品や備蓄品の例がありますので、ご確認ください。
どんなものが必要かなどホームサバイバルに備えての準備は、ご家庭により異なります。実際に少しずつ体験していくことで防災イメージを高め、万が一の時に安全にご自宅で避難生活を送ることができるようになります。
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更新日:2025年07月01日