令和7年度市民活動推進委員会報告書(第10期)

更新日:2026年04月07日

ページID : 22117

市民活動の実情及び施策の改善を必要とする事項について

第5期綾瀬市地域福祉計画 P33より

綾瀬市における市民活動の実情と課題

綾瀬市における市民活動は、社会課題や綾瀬市が抱える地域課題の解決に向け、継続的に活動しています。「第5期綾瀬市地域福祉計画」の策定に向けて実施された「保健・福祉のまちづくりをすすめるための市民アンケート調査報告書」では、無作為抽出の市民に加え、ボランティア団体・NPO27団体を対象に調査が行われました。その結果、高齢化の進行という大きな社会的変化の中で、持続可能な社会の構築を目指し、各団体が組織内の人的・物的資源を最大限に活用しながら、変化するニーズへの対応に努めている実態を自由記述欄の随所で見ることができます。

一方で、市民活動の必要性に対する懐疑的な意見も見受けられ、必ずしも活動を円滑に推進できているとは言い難い状況が続いています。しかしながら、国の政策にある「包括支援」の考え方や、策定して2年が経過した「第5期綾瀬市地域福祉計画」においては、「地域福祉を推進していくためには、行政だけの取組では不十分であり、市民(地域住民、自治会、民生委員•児童委員、ボランティア等)や事業者(サービス提供事業所、NPO法人、企業等)、行政が、地域の中で支え合うこと、支援を必要としている方々が直面している様々な課題を理解・共有し、それぞれの立場で、地域での課題解決のために何ができるかを考え、お互いに連携・協力しながら支援に取り組むことが重要です。本計画の推進にあたっては、こうした地域福祉を担う多様な主体が、それぞれの役割を果たしながら、協働して取組を推進していくことで、地域福祉の課題解決を目指します。」とあります。

多様化する外国につながる住民の日常生活や、移動に困難を抱える住民の日常を支えるためには、行政による支援に加え、市民活動ならではの柔軟かつきめ細かなアプローチが必要不可欠です。

綾瀬市市民活動推進委員会は、以上のような実情を踏まえ、施策の改善を必要とする事項について、通常委員会も含め、昨年度から7回にわたる議論を重ねてきました。その結果、意見を4つの項目に整理し、改善のために検討した提案を付記した報告書として取りまとめました。

ここに、市民活動の実情及び施策の改善を必要とする事項について、報告書を提出します。

2025年度改善を必要とする事項
1 市民活動団体の育成
2 市民活動推進基金
3 市民活動推進委員会
4 市民活動推進計画の策定
1 市民活動団体の育成

市民活動団体の特徴は、市民一人ひとりが日常生活の中で抱いた疑問や課題への気づきを契機として、自主的に行動を起こし、思いを同じくする仲間とともに、必ずしも経済性や効率性を優先することなく活動し、それを継続している点にある。こうした特性を踏まえると、市民活動団体を単に公益的サービスを提供する組織として捉え、画一的に論じることは適切ではない。

綾瀬市においては、「市民活動推進条例」第8条に基づき、市の施策として、活動拠点の設置や財政的支援等を実施している。しかしながら、一部には、市民活動団体が、その特性に依存し、自立や自律の取組が十分でないとの意見も見受けられる。市民活動団体が自立性及び自律性を高めることにより、市民からの信頼を獲得し、活動の持続可能性が向上するとともに、市民生活の質の向上に資するものと考えられる。

このことから、市民活動団体の育成に向けた施策を次のとおり提案する。

(1)活動成果の可視化及び広報の強化

活動報告や成果発表の機会について広く周知し、市民活動支援制度への理解と支持を拡大することが必要である。現状では、市民に対する広報が十分とは言い難いことから、団体の実績報告書の内容を見直すとともに、当該報告書を基にしたパネルを作成し、市民活動センター等に掲示することや、パネルセッションを実施するなど、効果的な広報の強化に取り組む必要がある。

(2)団体運営の透明性向上及び基盤強化

団体の持続可能性を高めるとともに、補助金の適正な活用を図るためには、活動実態の透明性向上が不可欠である。具体的には、団体名義の金融機関口座の開設及び規約の整備を補助金申請の要件とすることや、帳簿管理に関する指導やマニュアル作成を推進することが求められる。

また、会計報告書の提出及び監査体制の強化を通じて資金の流れを明確化し、団体運営に対する信頼性を高める必要がある。これらを支援するため、組織運営や会計に関する研修の実施等を併せて行うべきである。

2 市民活動推進基金の原資

市民活動推進委員会での役割の一つに、市民活動推進基金による補助金の選考がある。選考に当たっては、補助金が市民活動団体の活動にとって有効であるかどうかにとどまらず、その活動が受益者となる市民へどのような効果をもたらすのかという点についても重視し、選考委員全員が時間をかけて慎重に審議している。これは、本基金の原資が、市民から寄せられた寄附金によって構成される「市民活動推進基金」であるためである。

本基金は、市民からの寄附金額の増加に伴い、補助金の交付可能額も増加する仕組みとなっている。しかしながら、近年においては、寄附の集まりが伸び悩み、基金残高が枯渇に近づいている状況が見受けられる。他の基金の状況を網羅的に把握できていないため、綾瀬市民全体の寄附への参画度を一概に評価することはできないものの、「市民活動推進基金は、ボランティアをはじめ、市民活動を行う団体を資金面から応援します。」といった説明のみでは、市民への十分な周知や理解の促進につながっていないと考えられる。

市民活動支援の柱の一つである財政的支援が、現状において危機的な状況にあると言っても過言ではない。よって、補助金の財源に関する課題について、委員会としての意見を次のとおり整理し、対応方策を提案する。

(1)現状の課題

市民活動推進基金による補助金の交付額は、寄附を基本とする基金残高に依存しており、年々減少傾向にある。安定的な財源確保策が十分に講じられていないことから、今後、応募団体数の減少や団体活動の継続に支障が生じるおそれがある。

(2)対応方策の提案

企業版ふるさと納税の活用や、市民・企業に対する広報活動の強化、キャンペーンの実施等を通じて寄附を促進することが必要である。あわせて、事業実施時における募金箱設置の徹底や、活動成果の可視化を進めることにより、協力者の裾野を広げる取組が求められる。

さらに、行政予算(税金)との役割分担や連携の在り方についても改めて整理・検討を行い、基金に過度に依存しない、安定的な財源確保を目指すべきである。

3 市民活動推進委員会

前回の報告書にも記述をしたとおり、本委員会の構成や審議内容については、委員間で常に活発な意見交換が行われている。中でも、委員の構成と任期、審議内容、開催時間帯や開催方法等は、これまでにも複数の提案が寄せられてきた。今回の審議において、特に重要な論点として議論された事項は次の2点であり、いずれも速やかな改善に向けた対応が求められるものである。

(1)会議開催方法及び参加環境の見直し

市民活動の推進に関する施策の検討に当たっては、幅広い年代の市民の参画が不可欠である。そのため、現行の開催形態に加え、土日又は平日の夜間における開催、インターネットを活用したオンライン開催等について検討する必要がある。また、団体選出の委員については、やむを得ない事情がある場合に代理出席を認めるなど、より多様な意見を徴取できる環境整備についても検討すべきである。

(2)委員構成における多様性の確保

委員会の審議の充実を図るためには、委員構成における多様性の確保が求められる。具体的には、職業、地域など多様な背景を有する委員の参加を促進する必要がある。あわせて、金融機関関係者、報道機関関係者、大学教員等について、新たに学識経験者として参画を求めることも有効な方策の一つであると考えられる。

4 市民活動推進計画の策定

昨年度の報告内容を踏まえ、第10期の委員で本報告書の作成に向け議論を重ねてきた。現状を把握し、今後の展開について検討する中で、委員からは、「そもそも市民活動推進計画がないので、成果がわかりにくいのではないか」との意見が出された。

本報告書における現状分析の冒頭に示した各種データについては、「第5期綾瀬市地域福祉計画」の策定前に実施されたアンケート調査の結果を参考としているものである。一方、綾瀬市においては、協働や共創のパートナーとして市民活動団体とともに歩むことを前提とした各種計画が多数策定されている現状がある。

したがって、市民活動施策の方向性や目標、成果指標等を明確にし、施策の効果を可視化するためにも、「市民活動推進計画」の策定について、検討を進めることが強く求められる。

市民の発意による様々な取り組みを、綾瀬市にかかわるすべての関係者が受け止めることから、共創的なまちづくりが始まるといっても過言ではない。

今回、施策の改善を必要とする事項の洗い出しに続き、改善のために検討した提案を付記した。理解促進のための方策と、活動団体の自律の両輪が進み、綾瀬市が自然豊かな環境に呼応した文化都市として発展し、過ごしやすいまちとなることを強く望んでいる。

第10期綾瀬市市民活動推進委員会 委員一同

過去の報告書

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綾瀬市役所 市民環境部 市民活動推進課 市民共創・多文化共生担当
電話番号:0467-70-5640(市民共創)、 0467-70-5657(多文化共生)
ファクス番号:0467-70-5701

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