令和5年度市民活動推進委員会報告書
市民活動の実情及び施策の改善を必要とする事項について
令和6年3月28日
綾瀬市長 古塩 政由 様
綾瀬市市民活動推進委員会
委員長 剱 持 栄
市民活動の実情及び施策の改善を必要とする事項について(報告)
綾瀬市の課題
綾瀬市の課題の一つに急速に全国規模になった「高齢化」がある。全国の高齢化率は下回るものの、2000年以降急速に近づき、2023年6月の記録では27.4%となり、「高齢社会」に該当する。特に要支援者となる後期高齢市民の増加が顕著となってきており、ますます地域住民を巻き込む包括的な支援が必要となってきている。
また、外国人市民の統計資料(2023年4月の発表)によれば、綾瀬市の外国人市民比率は5.2%と、神奈川県比率(2.6%)の2倍にあたる比率であることがわかる。ホームページには、「市内には日本語ボランティア教室や市民団体による国際交流事業など、相互交流を図るための活動も活発に行われています。」とあり、多文化共生のまちづくりを進める必要性が高まってきている。
一方で、2022年度に実施した市民活動組織に向けたアンケートの結果からは、後継者不足や活動者の高齢化など活動人材確保や若年人材の育成の課題が多く寄せられている。
このように、市民社会の変化による支援を必要としている市民は増加しているが、人口減少や支援活動者の高齢化により、そのニーズにこたえていくことができるのかは活動団体の大きな課題となってきている。
綾瀬市市民活動推進委員会は、上記のような実情を踏まえ、施策の改善を必要とする事項について、委員により4回にわたる議論を重ね、その意見を4つの項目に分け、報告書としてまとめた。ここに、市民活動の実情及び施策の改善を必要とする事項について、報告書を提出する。
改善を必要とする事項
- 市民への波及と情報発信
- 市民活動センターあやせへの要望
- 綾瀬市市民活動推進委員会への意見と提案
- 共創につながる事業の開発
1.市民への波及と情報発信
市民活動は社会の課題や地域の問題を解決するために活動を続けているが、支援する市民と支援される市民を分けて活動しているということではなく、「支援する」と「支援される」は時に逆転することも考えられることを視野に入れて行動することで市民活動は成立する。それはお互いを知り、信頼し合える関係を構築することに尽きる。
そのためには、まず綾瀬市の中で活動する市民活動団体やボランティア団体の情報を十分に時間と手間をかけて拡散し、認知度を上げることが必要と考えた。例えば、きらめき補助金の審査プレゼンや、活動報告会などは、審査関係者だけではなく一般公開やマスコミ対応など、広く市民へ情報が届くように工夫はできないのか。
また、大納涼祭や福祉まつり、国際フェスティバル等、外国人や若者も含む多くの市民が集まるイベントの、参加ブース枠を市民活動団体にも広げ、市民活動団体の活動ショート動画をビジョンで流すなど、既存の企画の中での工夫はできないのか。さらに、市民ホールのモニターに、市民活動団体の記事を掲載することは可能なのか。このような小さなきっかけから、市民が市民活動に触れるチャンスを多く創出していくことを提案する。
動画の制作は、市民活動団体が自分達で作成することが望まれるが、機材やスキルなどの不足が予想されるため、当初は動画制作に関しての研修や指導は市民活動センターあやせでできると良いと思う。しかしながら市民活動センターあやせへの従来の委託仕様書にはないことから、別途の予算による事業委託なども視野に入れた展開を期待する。
J:COM、FMやまと・FMカオン等地元メディアや、タウン誌なども積極的に活用し、担当課からも情報の発信をする必要があることへの意識を高めていただきたい。
2.市民活動センターあやせへの要望
2022年10月に実施した「市民活動団体の実態とニーズ調査」での施策への要望は、昨年度記載をしたが、ここで改めて状況を把握し、市民活動団体の声を本市の支援施策等の更なる充実に繋げていくことを提案する。
新型コロナの第五類への移行後、対面による活動が活発になったこともあり、市民活動センターあやせと同様に市民活動団体の活動スペースとして利用者の多い地区センター利用に際して、予約制度や使用時間制限などの緩和や、以前より要望のあった、予約なく使うことのできるスペースの要望が高くなってきている。そして、市民活動センターあやせに向けては、活動や事業の方向性、資金の調達、申請書の書き方などの専門性の高い支援メニューなどのソフト面の強化に加え、スペースやオンライン機材、撮影機材等ハード面への要望も出てきている。更に人が集まりにくい市民活動センターあやせのあり方そのものについても、現在の設置場所や、気楽に利用が可能なスペースの確保などの意見があり、今後の市民活動への支援策の重要なポイントとして再考を希望する。
3.綾瀬市市民活動推進委員会への意見と提案
今回の報告書の議論の中で、本委員会の構成や審議内容についての意見交換が活発に行われ、中でも、委員の構成と任期、審議内容、開催時間帯、開催方法などには、提案も多く発せられていた。例えば、委員構成を考える際には、募集人数の変更や任期の変更も含め年齢構成も考慮すべき点と強い要望があり、それに伴い、開催の時間帯やオンライン等も含む開催方法などの再考も望まれた。特に若年層の参加の要望は、開催時間帯や開催方法を見直すことにより可能となり、審議内容への意見の変化をもたらすのではないかと大きな期待を込めて、求める声は多くの委員から出てきていた。
審議内容については、補助金等の選定だけではなく、活動実態を見学に行く機会を設けることや、団体交流会等への参加のご案内など、実際に活動に触れることが必要ではないかとの意見が出てきていた。
このような意見は、報告書の作成にあたり本来の提案には直接結びつかないと思われるが、大変重要な視点であり、今後の委員会のあり方を整理し、公募委員へのご案内にも影響することになるため、市民活動センターあやせのあり方同様に、次年度委員会内で、しっかりと時間を取って協議すべき内容と捉えることを提案する。
4.共創につながる事業の開発
昨年度提案させていただいた、多くの市民を巻き込むための、庁内各部署が横断的に参画したイベント開催は、本年度開催場所の変更もあり、開催に至らなかったが、次年度以降への見通しがたっているとの報告があった。
市民活動を活発にするための即効性のある施策は全国的に見ても例はない。しかしながら、内閣府の社会意識に関する世論調査※を見ると、6割以上の国民が社会貢献活動への関心を持っていることが数字として出てきている。そして、市民への市民活動に向けた参加意識の醸成により、身の丈の活動と理解できた時には、活動者を増やすことに効果が出てきている例もある。まずは見て触れる機会を増やすことに尽きるのではないかとの結論に至った。市民が多く集まるであろう既存のイベントには、綾瀬市の特性である外国人市民も多く参加し、まさに多文化共生の取り組みが繰り広げられている。その取り組みの中に、市民活動団体やボランティア団体の活動が加わることにより、綾瀬市民のまちづくりに向けた意識啓発効果は高く、その波及効果も高いと思われる。
市民の発意による共創的なまちづくりは、行政の取り組みだけではなく、市民の自主的な取り組みの情報をできるだけ多く発信し、市民に受け止めていただくことから始まる。その第一歩として、次年度には本報告書にある改善に向けた事項の改善を強く望んでいる。
※社会意識に関する世論調査(令和5年11月内閣府調査)
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-shakai/

過去の報告書
この記事に関するお問い合わせ先
電話番号:0467-70-5640(市民共創)、 0467-70-5657(多文化共生)
ファクス番号:0467-70-5701
お問い合わせフォーム(市民共創)
お問い合わせフォーム(多文化共生)
- 綾瀬市ホームページをより使いやすくするために、皆様の声をお聞かせください。
-
更新日:2024年04月01日