令和5年度第2回綾瀬市文化財保護委員会(令和6年2月16日開催)

更新日:2024年03月27日

ページID : 17472

審議会等の名称

令和5年度第2回綾瀬市文化財保護委員会

開催日時

令和6年2月16日(金曜日) 午後1時30分~午後3時

開催場所

綾瀬市役所 事務棟6階 J6-1会議室

議題

諮問

(1)道場窪遺跡の市指定について

(2)道場窪遺跡出土土器・石器等一式の市指定について

議題

(1)道場窪遺跡の市指定について

(2)道場窪遺跡出土土器・石器等一式の市指定について

(3)その他

出席者

委員 *会長◎ 副会長○

◎矢島 國雄 〇小川 久治 吉良 芳恵 栗原 拓児 加藤 隆志

事務局等

市民環境部長、生涯学習課長 他3名

傍聴者数

1名

内容

内容は、要点報告です。

(会長)

議題に入らせていただきます。綾瀬市文化財保護条例第4条第3項に基づき、市長より諮問がありましたので、本委員会で慎重に審議を進めてまいりたいと思います。議題(1)道場窪遺跡と議題(2)道場窪遺跡出土土器・石器等一式の市指定について事務局より説明をお願いいたします。

(事務局より資料1及び資料2に基づき説明。)

(会長)

   事務局の説明に若干の補足をさせていただきます。 今回の史跡指定につきましては、現在リサイクルプラザ敷地を指定してまいります。縄文時代中期の綾瀬市の生活を知る上で、とても重要な文化財として、保存及び活用のために指定するものであり、市民の郷土に対する認識を高めるとともに、文化の向上に貢献することを目的とするものでございます。市指定に向けては、私も責任を持って、確認をしてまいりました。また、リサイクルプラザ敷地以外にも道場窪遺跡としての範囲が広くございますが、現在は畑などの民地でございますので、無秩序な開発などが発生しないよう慎重に動向を見つめる必要があり、まずは、できるところからの指定を行っていくことが必要だと考えております。私からの補足は以上となります。それでは、委員の皆様、何か、御質問などございますか。

(委員)

現在の指定は市有地のみですが、周辺の遺跡が破壊されないように見守りつつ、遺跡が確認されたら指定範囲を広げて欲しいと思います。

(事務局)

了解しました。

(委員)

遺跡の範囲を確定するためにも、地権者の了解を得て確認の調査をしてほしいと思います。

(事務局)

検討します。

(会長)

名称について、本遺跡は縄文時代後期も出土しており、「道場窪遺跡出土の土器・石器等一式」だと時代が特定できないため、名称に「縄文時代中期の」を入れて範囲を特定してほしいと思う。また「一式」について、民具など一つの用途の組み合わせを指す単語なので、埋蔵文化財の場合何をもって一式とするか定まらないため「一括」の方が適切だと思います。

(事務局)

名称について、承知しました。名称を「道場窪遺跡出土縄文時代中期の土器・石器等一括」に修正します。

(委員)

土器・石器等の分類について、現在石器に分類されている「大珠」と「線刻礫」は、資料の性格上「石製品」に分けて欲しいと思います。

(事務局)

了解しました。指定の際にはリスト・図版ともに分類を分けて表記します。

(委員)

土地開発をせず、保存する方法を考えていくべきだと思います。例えば、土地の買収を考えていくべきだと思います。産業廃棄物を埋め立ててしまうことや黒土を売ってしまい、赤土を盛って畑を高くしてしまう恐れがあります。神崎遺跡同様に、道場窪遺跡から発見された土器の植物圧痕から縄文時代を知ることができます。市民を巻き込んだ研究を進め、保存する方法を模索する必要もあると思います。

(委員)

無秩序な開発などがないように、役所内で連携を取ってほしいと思います。

(委員)

今回指定する道場窪遺跡の範囲は、想定される全体の4分の1から6分の1とのことだが、集落の想定範囲は?

(事務局)

リサイクルプラザの南側と考えています。

(委員)

東西・南北の広さはどれほどですか?神崎遺跡と比較すると?

(会長)

南北は200mあり、神崎遺跡よりも大きいと考えています。南は外れまでぎりぎりあり、北辺がリサイクルプラザという範囲になっています。全容で200×200mほどの範囲になります。機会をみて遺跡の範囲全体を確認した方が良いと思います。

(委員)

地番の吉岡1644-3~1644-4は建物があるが、実際に発掘した場所がそこになるのですか。1644-1などの北側も史跡の範囲に入れる予定ですか。

(事務局)

そのとおりです。調査報告書(遺物編)のP2~3に載っている図をみてください。1号集石、22号住居址があります。リサイクルプラザの建物の範囲外にも竪穴住居があり、北側にも遺跡が残っていると考えられます。

(委員)

史料の評価について、綾瀬市の中で遺物の位置づけはどのようなものになるのですか?

(事務局)

ここまでまとまって縄文時代中期の遺物が出土する場所は、本市内ではまれです。早川城跡でも縄文時代中期の遺跡の出土はありますが、遺物の数は少ないです。道場窪遺跡は出土量が多く、状態が良いものもあり、居住年代の復元もすることができ貴重です。炉に土器が使われているものもあり、当時の住人の暮らしを知ることができます。また河川漁業に使うような石器や土器類がまとまって出土しているのは市内で本遺跡のみです。目久尻川との関連性も考えることができます。

(委員)

目久尻川に漁業的な立ち位置があるのは驚きました。目久尻川では他の地域でも漁業的な観点がみられますか?

(会長)

現時点では、ここまでまとまっているものはみられません。河川漁業を示す遺物や遺跡数が少ないため判断が困難です。

(委員)

釣り針などはあったのか?あったとしても残っていないのですか?

(会長)

貝塚があれば残っていますが、本遺跡では難しいと思います。

(委員)

川の流域内で魚が集まるところや、網でとるのにふさわしい魚がいたのかなど、当時の川の環境を知ることができますか。また、古環境を復元できますか?

(会長)

貝塚が発見されれば様々なものが残りやすいです。異なる事例ですが土器の中に残っている成分を分析することにより、植物系の食事が多かったのか、または動物系の食事が多かったのかを研究することはできます。このような視点で研究を進め、理化学分析を行うことで、新たなことが分かるかもしれない。これは今後の課題です。

(委員)

今回指定される範囲は市有地だが、南側は民有地になっており、特別な農地に指定されていると考えてよいですか?

(事務局)

農業用地であり、農地転用などの手続きが必要な場所です。

(委員)

他の自治体でも史跡の指定など取り組んでいるところはありますか?

(会長)

あります。小さな自治体だと積極的に取り組んでいるところもあります。大きな自治体だと連携が取れていないこともあり難しい。関係部署で連絡を取りつつ進めていくことが大切です。

(委員)

道場窪で漁業以外に出土したものはありますか。例えば農業関連の遺物は確認されましたか。

(会長)

農業関連の遺物は確認されていません。縄文時代の基本は狩猟採集でありました。縄文時代の植物利用については、圧痕調査の結果、主に豆類が多く、弥生時代になると稲が主になります。道場窪遺跡の土器にも圧痕がある可能性が指摘でき、圧痕の調査も必要です。今後の課題だと指摘できます。

(会長)

皆さん御意見ありがとうございました。それでは、議題(1)、(2)の内容につきまして、市指定をすることが望ましいという答申をすることと、その答申を、後日、小川副会長とともに市長に手渡してまいります。その2件に関しまして御異議はございませんでしょうか。

(会長)

異議がないようですので、事務局は、令和5年度内に市指定に向けて事務手続きを進めてください。よろしくお願いいたします。続きまして、議題(3)その他の案件につきまして、事務局からお願いいたします。

(事務局より次回会議内容の告知及び「あやせ目久尻川歴史文化財ゾーン構想」PR動画の視聴。)

(会長)

議題(3)についてなにか質疑はありますか。質疑もないようですので、本日の議題につきましては、審議を終了いたします。

この記事に関するお問い合わせ先

綾瀬市役所 市民環境部 生涯学習課 市史文化財担当
電話番号: 0467-70-5637
ファクス番号:0467-70-5703

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