8月は「道路ふれあい月間」(広報あやせ8/1号より抜粋)
8月10日は道の日! 「続け未来に 地域の道路は たからもの」
「倒木」が社会問題化
近年の日本では、気候変動の影響により台風や豪雨が年々増加しています。
今年もすでに台風が相次いで発生し、市内でも倒木事故が発生しました。
そのような中、道路への倒木は交通を遮断し、緊急車両の通行を妨げるおそれがあります。
電線への接触による広域停電、家屋の損壊、さらには通行人や車両への直撃による人身事故など、被害は多岐にわたり、その影響は計り知れません。

倒木で山林所有者が負う法的責任とは
倒木による損害賠償の根拠となる中心的法律が、民法第717条です。
この条文では「樹木の管理が不十分で倒木などの事故が発生し、他人に損害を与えた場合、樹木の所有者などが損害賠償責任を負う」旨が定められています。
「知らなかった」では済まされない樹木所有者の責任
「普段見に行けないから、木の状態なんか分からない」
⇒法的には見に行けないことは免責理由になりません。
「健全に見えていたのに突然倒れた」
⇒外見でわからない内部の腐朽も「安全性を欠く瑕疵」とされる可能性があります。
「自分は何もしていないのに責任を負うのか」
⇒民法第717条の無過失責任により、管理義務を怠ること自体が違反となります。
樹木を所有する以上、相続や購入にかかわらず樹木の管理責任は免れません。
2017年に熊本県で発生した、山林からの倒木が走行中の車両に直撃し、運転手が死亡した事件では、山林の所有者が管理を怠っていたことから、約5,000万円の賠償命令が下されています。
倒木リスクに備えるための具体的な対策
定期的な整備
現地を巡回・確認し、危険な木の伐採は台風シーズン前(8月下旬ごろ)までに実施しましょう。
・立ち枯れや傾きの木がないか
・幹に穴や木くず(ナラ枯れの兆候)がたまってないか
・根元の地盤が緩んでないか
・枝が道路や隣接地に張り出していないか。
道路に倒れた樹木の撤去だけでも、数百万円の費用が掛かることもあります。
私有地内の樹木などを所有している方には、安全で良好な道路環境を維持するため、樹木の点検や剪定、伐採など適切な管理義務があります。
保険の加入
万が一の倒木事故に備え、火災保険や自動車保険に付帯できる個人賠償責任保険への加入も有効です。
所有地の倒木による第三者への賠償がカバーされる場合があります。
参考法令(抜粋)
〇民法 第717条(土地の工作物等の占用者及び所有者の責任)
1 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占用者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占用者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは
占用者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。


更新日:2026年08月06日